マーケティング・ビジネス実務検定とは?難易度と取得時間、取得するメリットを現役マーケターが解説

マーケティング・ビジネス実務検定を取得しようとと思っているんだけど、どれくらい難しいのかな。。どれくらい勉強時間を確保すればいいのか、分からないな。。


マーケティング・ビジネス実務検定の難易度が気になるあなた

結論から言うと、マーケティング・ビジネス実務検定は3つのレベルで構成されており、難易度の低い順に

 C級(初級)|マーケティングの基本概念と用語を理解し、簡単な戦略立案ができるレベル(勉強時間/約30~50時間)

 B級(中級)|マーケティング手法と戦略を理解し、業務の運営ができるレベル(勉強時間/約50~100時間)

 A級(上級)|高度なマーケティング経営戦略を立案・マネジメントできるレベル(勉強時間/約100~150時間)

となっております。

本記事ではマーケティング・ビジネス実務検定の取得メリットや難易度について疑問を持たれている方に以下を解説します。

この記事で解決するお悩み
  • マーケティング・ビジネス実務検定の概要と難易度
  • 各レベルの試験内容とおすすめ参考書
  • マーケティング・ビジネス実務検定の取得メリットと将来性


この記事の著者

管理人

とり部長|マーケター

プロフィール

年間約10個のサイト(1~800万PV/月)の運営担当している分析とメディア戦略が得意なマーケター。【自己紹介】▶学習院大学卒業▶経営学修士(MBA)▶広告運用経験4年▶現在6目の会社員マーケター

本記事はアフィリエイト広告を利用しています。

マーケティング・ビジネス実務検定とは

マーケティング・ビジネス実務検定

マーケティング・ビジネス実務検定とは「初心者から経験者まで幅広い層に対して、マクロからミクロまでの幅広いマーケティングの知識や実務スキルを評価・認定する」ことを目的にした試験です。

本検定は国際実務マーケティング協会®(International Marketing Skill Standardizing Association)が主催している、

2005年から続いている民間資格です。

他のマーケティング検定に比べて実務に即した問題が出題されることが特徴です。どの級でも試験科目に「マーケティング事例」があり、実践で活用できるかというのが問われます。


対象者は

  1. マーケティングに興味がある学生や社会人
    • マーケティングの基本的な知識やスキルを網羅的に身に付けたいと考えている人
  2. マーケティング担当者
    • 企業のマーケティング部門で戦略立案や実行を行う、マーケティングの専門知識や実践スキルが求めらる人
  3. 営業担当者
    • 顧客との関係構築や商品の販売を行う時に、マーケティングの視点を取り入れた営業戦略をしたい人
  4. 企画担当者
    • 商品企画でマーケティングの知識を活用して市場ニーズに応じた企画を立案するしたい人
  5. 広報・PR担当者
    • 企業のブランディングでマーケティング戦略と連携した広報活動を考えている人
  6. コンサルタント
    • 企業のマーケティング戦略立案や実行をサポートするために実践スキルをつけたい人
  7. デジタルマーケティング担当者
    • オンライン広告やSNSマーケティングなど、デジタル領域でのマーケティング活動を行う人

です。

また業種別にみると以下のようにIT関連はもちろんメーカーや金融など幅広い職種の受講者がいます。

マーケティングの知識を覚えることで、戦略や顧客・市場目線という視点が広がるため、

どんな業種や職種でも汎用性の高い資格だということが言えます。


試験内容は以下のようなマーケティングについての運用・管理など幅広い知識が含まれています。

  • マーケティングの基本概念|マーケティングミックス(4P)、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングなど
  • 市場分析|市場調査、競合分析、SWOT分析など
  • マーケティング戦略|製品戦略、価格戦略、販売戦略、プロモーション戦略など
  • ブランディング|ブランド構築、ブランドイメージ、ブランド価値など
  • デジタルマーケティング|オンライン広告、SNSマーケティング、メールマーケティング、ウェブ解析など



続いてマーケティング・ビジネス実務検定の概要と難易度について解説します。

マーケティング・ビジネス実務検定の実施概要と難易度

マーケティング・ビジネス実務検定2

実施概要

マーケティング・ビジネス実務検定は各級によって年間1~4回開催されます。

 C級(初級)|年4回(2月、6月、8月、※11月) 受験料 税込6,270円

 B級(中級)|年3回(2月、6月、※11月) 受験料 税込7,480円

 A級(上級)|年1回(※11月) 受験料 税込12,760円

 ※リアル会場試験有。東京・大阪・名古屋予定。

C級・B級は正誤、選択式などで記述はありません。A級のみ記述式があります。

参照マーケティング・ビジネス実務検定>各級の詳細


出題範囲

出題範囲は以下の通りC級(初級)からA級(上級)で異なり、

全てに共通しているのはマーケティングのフレームワークや概念の知識の問題です。

A級のみケーススタディなどが出題されます。

※△印は基礎レベル、○印は応用レベル

マーケティング・ビジネス実務検定試験範囲
引用:マーケティング・ビジネス実務検定>試験科目の範囲

※その時によって内容が変わりますので、最新の出題範囲はマーケティング・ビジネス実務検定公式サイトでご確認ください。


マーケティング・ビジネス実務検定の難易度

難易度は以下の通りです。また残念ながら、公式的に合格率は公開されておりません。

C級(初級)の難易度 簡単

勉強時間|マーケティングの知識が全くない人では、50時間程度(参考書は400ページ程度)あれば合格をすることが可能です。

出題形式|「正誤」「三答択一」「語群選択」


B級(中級)の難易度 普通

勉強時間|50~100時間程度(参考書は400ページ程度×2冊)

合格基準|2科目合計点(300点)の70%(210点)を基準

出題形式|正誤・四答択一・語群選択

A級(上級)の難易度 やや難しい

勉強時間|約100~150時間程度(参考書は300ページ程度×2冊 単語まで覚える)

合格基準|2科目合計点(300点)の各回、試験委員長が定める点

出題形式|正誤・穴埋式・短文記述式

※A級のみケーススタディや記述式の配点が高くなるため、時間がかかります。


次にレベルごとに試験内容とテキストを説明します。

マーケティング・ビジネス実務検定 c級(初級) 試験内容とおすすめテキスト

C級の試験内容

C級はマーケティングの基本概念(4P、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング等)、市場分析、マーケティング戦略の基本、ブランディングの基本など知識の配点比重が多いです。

C級の試験科目

合格基準|2科目合計点(200点)の80%(160点)を基準

200点満点(配点 マーケティング知識150点 マーケティング事例50点)

マーケティング知識150点 制限時間:1時間30分

  • 正誤式:10題(30点)
  • 選択式:15題(45点)
  • 語群選択式:10題(30点)
  • 三答択一式:15題(45点)

マーケティング事例50点 制限時間:45分

  • 語群選択式:10題(20点)
  • 三答択一式:10題(20点)
  • 三答択一式:2題(10点)


C級のおすすめテキスト

検定試験の主催団体が作成しているテキストです。

初心者でもわかりやすい内容で、マーケティングの基礎知識を効率的に習得できます。

またC級の過去問も掲載されており、重要ポイントを押さえているため、文章内に書いてある内容がそのまま試験に出てくることもあります。


マーケティング・ビジネス実務検定 B級(中級) 試験内容とおすすめテキスト

B級の試験内容

B級は、C級(初級)の出題範囲に加え、マーケティング戦略立案の詳細(製品戦略、価格戦略、販売戦略、プロモーション戦略等)、デジタルマーケティングの基本(オンライン広告、SNSマーケティング、メールマーケティング等)、ブランディング戦略など知識の配点比重が多いですが、C級よりも少しだけ実例の配点が多くなります。

B級の試験科目

合格基準|2科目合計点(300点)の70%(210点)

300点満点(配点 マーケティング知識200点 マーケティング事例100点)

マーケティング知識200点 制限時間:1時間45分

  • 正誤式:10題(40点)
  • 選択式:15題(60点)
  • 語群選択式:15題(60点)
  • 四答択一式:10題(40点)

マーケティング事例100点 制限時間:1時間

  • 正誤式:10題(40点)
  • 選択式:5題(20点)
  • 四答択一式:5題(20点)
  • 語群選択式:5題(20点)


B級のおすすめテキスト

検定試験の主催団体が作成しているテキストで、過去問も掲載されています。

本書はマーケティング、セールスプロモーション、広告、プロモーション戦略、プロダクトマネジメントなど、幅広い領域にわたる知識を詳細かつ体系的にまとめています。

また、各章には実務で使えるケーススタディが多数掲載されており、理論だけでなく実践的な知識も身につけることができます。


マーケティング・ビジネス実務検定 A級(上級) 試験内容とおすすめテキスト

A級の試験内容

C級(初級)・B級(中級)の出題範囲に加え、以下の項目が追加になります。

  • 計数管理(マーケティング計数、売上、費用、収益に関する損益計数、等)
  • マーケティング関連法務(独占禁止法、不正競争防止法、景品表示法 個人情報保護法、
  • 特許法、等、アドバンスト版テキストに掲載の法規類)

また他の級と異なり、ケーススタディや記述式の設問も出てくるため、勉強時間は多く必要です。

A級の試験科目

合格基準|2科目合計点(300点)の各回、試験委員長が定める点

※公式的に合格点は明示されておりません。

300点満点(配点 マーケティング知識150点 マーケティング事例150点)

マーケティング知識150点 制限時間:1時間30分

  • 正誤式:10題(計20点)
  • 接続式※A群B群:10題(計20点)
  • 穴埋式:20題(計60点)
  • 短文記述式:5題(計50点)

マーケティング事例150点 制限時間:1時間40分

  • 正誤式:5題(計10点)
  • 穴埋式:20題(計60点)
  • マーケティング戦略:ケーススタディ(計110点)


A級のおすすめテキスト

A級のB級のテキストと同じですが、

テキストにA級の過去問が掲載されていないため、別途で手配する必要があります。



マーケティング・ビジネス実務検定は広い試験範囲で、実務レベルでも使えるような検定なので、

取得することで現職でも新しい視点を身に着けることができます。

将来マーケターを目指す人のために、受験前に知っておきたいことをお伝えします。

マーケティング・ビジネス実務検定を受験前に知っておきたい事と取得するメリット

マーケティング・ビジネス実務検定3

本試験に限らず、マーケティングの関連の検定を受験する前に、「認識してもらいたいこと」と「取得するメリット」をお伝えします。

マーケティング・ビジネス実務検定希望者の勘違い3選

勘違い① 転職や副業で有利になる

マーケティング・ビジネス実務検定を取得することで、一定の知識やスキルを証明できますが、転職や副業で有利になることはありません

実際に転職サイトのdodaでは23万件以上の求人情報の中で「マーケティング・ビジネス実務検定」を歓迎するのは2件(2023年4月現在)しかありません。

同様に大手転職エージェントのリクナビnextマイナビ転職や、

副業で有名なクラウドワークスなどで「マーケティング・ビジネス実務検定」と検索しても、

歓迎条件で「検定を取得している人」など書いてある企業はほぼありません。

勘違い② 検定を取得するだけで実務スキルが身につく

検定では基本的な知識や理論を学ぶことができますが、

実務スキルを習得するには、実際に業務を行う経験や継続的な学習が必要です。

基礎知識や用語がついているので、実務をすることですぐに吸収できるようになりますが、

検定資格だけでは実務で活かせるスキルが十分に身につかないこともあります。

「野球上達法」の本をだけ読んでいても、野球が上手にならないと一緒です。


勘違い③ 検定資格の価値が業界全体で同じく評価される

マーケティング・ビジネス実務検定の価値は、企業や業界によってかなり異なります

一部の企業では資格が高い評価をされる一方で、実務経験やスキルの実証のみが重要視される企業もあります。

特にマーケティングに力を入れているIT系の企業や、

即戦力を求めているベンチャー企業などは、実績や実務経験を重視するのでほぼ評価されません。

一方でアナログ系でこれからマーケティングに力を入れる企業では、評価されやすいという印象です。


では、自社でも評価されるか分からない、転職・副業でも有利にならないのに、

検定を取得するメリットは何かを説明します。

マーケティング・ビジネス実務検定を取得する意義とメリット

マーケティングの市場はまだまだ拡大傾向している

マーケティングの市場はまだまだ拡大中で、マーケティングの需要がさらに高まってきます


実際に以下に記載したインターネット広告は顕著で、

多くの企業が、テレビや新聞などの「マスメディア」と呼ばれるメディアから、

インターネット広告にどんどんと切り替えております。

切り替えていくということは減っている方が需要がなくなり、増えている方の需要が高まるということになります。

マーケティング・ビジネス実務検定4

出典:電通報「『2021年 日本の広告費』解説


今まで以上の「広い視点×打ち手」を考えられるようになる

マーケティングという言葉をを簡単に説明すると「楽して、たくさんの商品を売り、利益を得るための仕組みを作る」ことです。

マーケティングを学ぶことで、

「顧客・市場・流通・プロモーション・ブランディングなど」様々な視点でビジネスを見ることができるようになります。


さらに「市場ライフサイクルごとの戦略、価格戦略、メディア戦略、流通戦略など」戦略の打ち手も種類が増えます。

この視点×打ち手の両方が広がることで、マーケティング業務はもちろんですが、

資料作成、アイデア出し、論理的説明、営業など、ビジネスの基礎が全体的にレベルアップします。


マーケティングという幅広い学習範囲の中での勉強のポイントが定まる

マーケティングと一言でいっても、学習範囲が膨大な分野です。

そのため初心者からすると「何から手を付け始めればよいか分からない・・」という悩みが多くあります。

手を付けたものの役立つ知識を学べている実感がわかなく、

結果的に途中で勉強をあきらめてしまう人を私もかなり見てきました。


その点でマーケティング・ビジネス実務検定はマーケティングの全体を網羅しており、

各分野の基本的な知識や技術をバランスよく学ぶことができます

検定の学習を進めることで、自分が興味を持ったり、得意とする分野を見つけられる可能性があります。

共通言語を話せ、考えられるという証明になる

転職や副業には有利にならないと説明しましたが、どの会社でも「共通言語が話せる」という証明にはなります


マーケティングの仕事をしていると、横文字や専門用語が飛び交います。

専門用語が飛び出したときに概念や構造を理解できないと、話についていくことができません。

未経験で転職すると全く言葉の通じない国に放り出された気持ちになりますが、

事前に基礎知識だけを学んでおくと、会話についていくことができるようになります。



このようにマーケティング・ビジネス実務検定は「マーケティングの世界とは」を学ぶようなもので、

そこからどのように実務知識をつけるかというキャリア設計の指針にすることができます。

約50時間で全体像を学べるのと、一生使える証明書をもらえるのはかなりお得です!


まとめ|自分にあったマーケティング・ビジネス実務検定の難易度を選び、マーケティングの世界に挑戦しよう!

この記事では、マーケティング・ビジネス実務検定の難易度や、試験概要、おすすめの教材について紹介しました。


マーケティング・ビジネス実務検定は、広範囲の知識を習得し、共通言語を話せるようになることで、

自分自身のスキルを向上させることができます。

テキストでマーケティングの全体像を学びながら試験対策を行い、自信を持って試験に挑戦しましょう。



Webに特化してマーケティングを学びたい場合、ネットマーケティング検定やGAIQなどありますが、

本検定で学べる「マーケティング」はWEBマーケ、SNSマーケ、メールマーケなどすべてのマーケティングの骨格になる概念ですので、

まだ取得していない人はC級だけでも良いので取得してみてはいかがでしょうか。

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