流入元(トラフィック)をみてアクセス数を増やしたいんだけど、結局何すればよいの?流入元を調べても、見方がよくわからないし、何をチェックすればいいのか教えて。
Googleアナリティクスの画面を開くと、
「Organic Search」「Referral」「cpc」「none」などたくさんの流入元が出てきますよね。
細かく見ようと思っても「チャネル」「メディア」「参照元」などの区分けが出てきて、さらに訳が分からなくなります。
この記事ではトラフィック(流入元)分析について以下のお悩みを抱えている方へ、解説していきます!
- 流入元(トラフィック)分析の重要性とメリット
- 「チャネル」「メディア」「参照元」の確認と意味
- 流入元(トラフィック)ごとの数値の見方と増やす方法
管理人
とり部長|マーケター
年間約10個のサイト(1~800万PV/月)の運営担当している分析とメディア戦略が得意なマーケター【自己紹介】▶学習院大学卒業▶経営学修士(MBA)▶広告運用経験4年▶現在6年目の会社員マーケター
トラフィック(流入元)分析とは?
トラフィック(流入元)分析とは「ウェブサイトやアプリへの訪問者がどこから来ているかを調べるプロセスのこと」で、
Googleアナリティクスなどのツールを使って実施されます。
どのチャネルやメディア、キャンペーンが効果的なトラフィック(流入)を獲得しているかを分析することで、
広告やサイト運営といったマーケティング活動の効果測定ができます。
結果的に、アクセス数の改善やコンバージョン率を上げることができ、売上の向上につながります。
トラフィック(流入元)分析をすることで得られるメリット
トラフィック(流入元)分析で得られるメリット
1,効果的な集客チャネルの特定
どのチャネル(オーガニック検索、広告、SNS、リファラーなど)が効果的にトラフィックを獲得しているかを分析し、
マーケティング活動や予算の最適化に活用します。
2,広告キャンペーンの効果測定
各広告キャンペーンがどれだけのトラフィックやコンバージョンをもたらしているかを評価し、
広告の効果測定や最適化に活用します。
3,検索エンジン最適化(SEO)の改善
オーガニック検索からの流入キーワードやページを分析し、
検索エンジン最適化(SEO)の戦略やコンテンツの改善に活用します。
4,SNSや外部サイトとの連携強化
SNSやリファラーからの流入を分析し、
効果的な外部サイトとの連携やコラボレーションを行うことで、
より多くのトラフィックを獲得します。
5,ターゲット層へのアプローチ最適化
流入元ごとの訪問者の属性や行動を分析し、
ターゲット層に合わせたマーケティング戦略やコンテンツ作成を展開することができます。
流入分析の位置づけは次章で説明します。
GA4アナリティクス(GA4)の全体像から見るトラフィック分析の位置づけ
Googleアナリティクス(GA4)で出来ることをざっくりまとめると、以下のようになります。
今回は赤枠部分について解説しています!
トラフィック分析はGoogleアナリティクス(GA4)の各分析の中で、メディア戦略と自サイトの間に来ます。
そのためメディア戦略の結果が、トラフィック(流入元)に現れます。
トラフィック分析で流入元ごとの推移や変化を見ることで、
特にメディア戦略の中でどこが強くて、どこが弱いという部分が見えてきます。
自サイトへの流入での強弱ポイントが分かれば、
強い部分をさらに強くするか、弱い部分に対して対策するかなど、次の打ち手の選択肢がある程度見えてきます。
Googleアナリティクスは上図のように全体像からざっくり覚えよう!
ジグソーパズルを作るときも完成図がどういうものか分からないと、
恐ろしく時間かかるし、
1ピースずつ見ても「あと何個あるんだよっ!」ってなるからね。
補足|トラフィック分析をさらにパワーアップさせる方法
トラフィック分析に加えて、
顧客分析、行動分析、コンバージョン分析を合わせることで、
より具体的な対策まで立てられるようになります。
具体例
「2,000円の健康食品の販売促進をするために、SNS広告に50万投資した。」
分析
トラフィック分析:Facebook広告からサイトに流入した人は先月よりも20%増えており、ユーザー数全体が10%上がった。
顧客分析:そのうち都内在住の人が50代女性40%を占めている。
行動分析:訪問した人はサイト内の「健康食品を実際に使った人のコメント」ページの滞在時間が長く、そこから購入に至るケースが多い。
コンバージョン分析:CPCは50円と少し高かったが、結果としてCV率は10%になったので、50万の広告投資に対して、200万の売上を立てることができた。
次の打ち手
次はCV率を高くするためにFacebook広告のみに絞り、
ターゲットは50代女性で品川から半径10kmとしよう。
また同年代の新規層を開拓するために高年齢のユーザーが多い、
YDN(ヤフー広告)に30万ほど追加で投資してみるか。
Googleアナリティクス(GA4)で「チャネル」「メディア」「参照元」を確認する方法
まず、Googleアナリティクスにログインして、
あなたのウェブサイトに関連付けられたGoogleアナリティクス4(GA4)のプロパティを選択します。
この画面では、「トラフィック(流入元)」ごとのアクセス量を見ることができます。
このプルダウンでリストの表示形式の変更をすることができます。
ページ上部に表示されている「折れ線グラフ」「棒グラフ」も選択した、トラフィック表記となります。
左側のメニューから[レポート]>[集客]>[ユーザー獲得]を選択して同様の動作をしてください。
プルダウンは以下のように表示されます。
「チャネル」「参照元」「メディア」の違いとは
チャネル (Channel)、参照元 (Source)、メディア (Medium)とはトラフィック(流入元)の分け方の種類を指します。
シャンプーで例えると、
「生活用品(種類=チャネル)」
「ツバキ(具体的な名前=参照元)」
「頭皮を洗うもの(性質=メディア)」
のように分けるイメージです。
チャネル (Channel)|トラフィックの大まかなカテゴリー分類
トラフィックの大まかなカテゴリーを表し、ウェブサイトへの訪問者がどのような種類の経路でアクセスしているかを示します。
Googleアナリティクス(GA4)では、[レポート]>[集客タブ]>[トラフィック獲得]で、
表示される折れ線グラフ・棒グラフはチャネルでの表示なので最も目にすると表示形式だと思います。
Googleアナリティクス4では、デフォルトチャネルグループとして以下の設定となっております。
ブラウザのアドレスバーにURLを直接入力して訪問したり、
ブックマークからアクセスしたりした場合のトラフィックです。
検索エンジン(Google、Yahoo!など)でキーワードを検索し、
検索結果から自然に訪問されるトラフィックです。有料広告を除いた検索結果からの訪問です。
他のウェブサイトからリンクをクリックして訪問されるトラフィックです。
パートナーサイトやブログなどからの訪問者が含まれます。
●ソーシャル (Social)
ソーシャルメディア(Facebook、Twitter、Instagramなど)からの訪問者が含まれるトラフィックです。
SNS上の投稿や広告からの訪問が該当します。
※SNS投稿の場合「Organic Social」 SNS広告の場合「Paid Social」と表記されます。
●メール (Email)
メールマーケティングやニュースレターなど、メールからのクリックによって訪問されるトラフィックです。
●アフィリエイト (Affiliate)
アフィリエイトパートナー(提携サイト)からの訪問者が含まれるトラフィックです。提携サイトでの紹介や広告を通じて訪問が行われます。
●ディスプレイ広告 (Display)
バナー広告や動画広告などのディスプレイ広告から訪問されるトラフィックです。
●ビデオ広告 (Video)
動画広告プラットフォーム(YouTubeなど)からの訪問者が含まれるトラフィックです。
●ペイド検索 (Paid Search)
検索エンジンでの有料広告(Google Adsなど)からの訪問者が含まれるトラフィックです。
●その他の広告 (Other Ads)
上記以外の広告媒体からの訪問者が含まれるトラフィックです。例えば、ポップアップ広告やインフィード広告などが含まれます。
参照元 (Source)|TwitterやGoogleなどの具体的なプラットフォーム名
訪問者がウェブサイトに到達するために使用した、具体的なプラットフォームやサイトを示します。
例えば、検索エンジンの場合は「google」や「yahoo」、
ソーシャルメディアの場合は「facebook」や「twitter」といった具体的なサービス名が参照元として表示されます。
メディア (Medium)|トラフィックの性質や特性の分類
前述した「参照元」の補足情報で、トラフィックの種類や広告の種類を示します。
例えば、オーガニック検索の場合は「organic」、ペイド検索の場合は「cpc」(コストパークリック)、
リファラーの場合は「referral」といった情報がメディアとして表示されます。
メディアだけ表示することはあんまりないかな・・
「参照元/メディア」で使う時の方が多いね。
いきなり「ツバキ(参照元)」と言われても、
「頭皮を洗うもの(メディア)」とはイメージでしょ。
●organic(オーガニック)
自然な検索結果からのトラフィックを示します。オーガニック検索による訪問。
●cpc(コストパークリック)
広告をクリックするごとに広告主が支払うタイプの広告からのトラフィックを示します。ペイド検索広告による訪問です。
●referral(リファラー)
他のウェブサイトからのリンクをたどって訪れたトラフィック。
●display(ディスプレイ)
ディスプレイ広告(バナー広告など)からのトラフィック。
●email(メール)
メールマーケティングやニュースレターからのトラフィック。
●social(ソーシャル)
ソーシャルメディアプラットフォームからのトラフィック。
●affiliate(アフィリエイト)
アフィリエイトマーケティングによるトラフィック。
●none(なし)
直接トラフィック(ブックマークやURLを直接入力してのアクセス)や、
GoogleアナリティクスがURLのリンク元を判別できない(デスクトップ上のPDFや一部スマホアプリ)トラフィック。
よくある質問|「チャネル」と「メディア」の違い
「チャネル」「メディア」の両方に、
「organic」「referral」「display」など重複の物が多く、
まだ何が違うのかイメージが付きません。
困惑するのは「ジャンル」と「性質」が同じ名前だからなんだよね・・
Googleアナリティクス(GA4)の解釈として、
「チャネル=ジャンル表記」
「メディア=性質・特性表記」
になるんだよ。
なかなかイメージがつかないと思うから、具体例をあげるね。
「アルカリ性」という言葉は、
「中性・酸性・アルカリ性」という種類で分けるときは、カテゴリーで表記→「チャネル」
「アルカリ性」の洗剤という「タンパク質を溶かすという性質」で使う時は性質表記→「メディア」
というイメージかな。
でも、カテゴリー表記なんて人によって解釈が変わりません?
「アルカリ性」を分ける場合、
「アルカリ性」と「弱アルカリ性」でも分けられるし・・。
そうなんだよ!だからチャネルの初期設定をよく見ると、
デフォルトチャネルグループと書いてあって、
これはGoogleが初期設定として用意したカテゴリー分けなんだよね。
だからGoogleアナリティクス(GA4)では、自分で好きに設定できるように
「カスタムチャネルグループ設定(任意のグルーピング設定)」
が出来るようになってるんだよ。
実際にWEB広告を大量に打つときは分けるときがあるよ!
一方で性質(メディア)は区分が決まっているので、
「カスタムメディアグループ設定」というのは存在しないんだよ。
トラフィック(流入元)の意味・見方・対策 一覧
Googleアナリティクス(GA4)の概要で表示される、デフォルトチャネルグループについて
- 各数値の意味
- 見るべきポイント
- 増減の原因
- 増加させるための対策
をまとめます。
1.オーガニック検索 (Organic Search)
- 意味: 検索エンジンからの自然な(非広告)流入
- 見るべきポイント: 検索エンジン最適化(SEO)の効果
- 増える原因: 良いSEO対策、良質なコンテンツ、キーワード最適化
- 減る原因: SEO対策の不足、競合サイトの強化、アルゴリズム変更
- 上げる方法: キーワードリサーチ、コンテンツ最適化、内部・外部リンク強化
2.リファラー (Referral)
- 意味: 他のウェブサイトからのリンクを介した流入
- 見るべきポイント: 訪問者がどのサイトから流入しているか
- 増える原因: 他サイトからの言及やリンク、良質なコンテンツ
- 減る原因: リンク元サイトのトラフィック低下、リンク切れ
- 上げる方法: 他サイトとの協力、ゲスト投稿、リンクアウトリーチ
3.ディスプレイ広告 (Display)
- 意味: ディスプレイネットワーク上の広告からの流入
- 見るべきポイント: 広告効果、広告費対効果(ROAS)
- 増える原因: 広告予算の増加、広告の最適化、ターゲティングの改善
- 減る原因: 広告予算の減少、広告の非最適化、競合他社との競争
- 上げる方法: 広告のクリエイティブ改善、ターゲティング見直し、予算調整
4.直接 (Direct)
- 意味: 直接URLを入力したり、ブックマークからの流入
- 見るべきポイント: ブランド認知度、リピート訪問者
- 増える原因: ブランド認知の向上、オフラインマーケティング活動
- 減る原因: ブランドイメージの悪化、競合ブランドの台頭
- 上げる方法: ブランド露出の上げる方法: ブランド露出の拡大、オフラインマーケティング活動の実施、顧客ロイヤリティプログラムの導入
5.ソーシャル (Social)
- 意味: ソーシャルメディアサイトからの流入
- 見るべきポイント: SNS活用の効果、拡散力
- 増える原因: 投稿のエンゲージメント向上、SNS広告の効果、インフルエンサー活用
- 減る原因: SNS活動の減少、投稿内容の非最適化、アルゴリズム変更
- 上げる方法: コンテンツ戦略の見直し、SNS広告活用、インフルエンサーとのコラボ
6.Eメール (Email)
- 意味: メールマーケティングからの流入
- 見るべきポイント: メールキャンペーンの効果、開封率、クリック率
- 増える原因: 配信頻度の増加、メール内容の最適化、セグメンテーション
- 減る原因: 配信頻度の減少、メール内容の非最適化、配信リストの質低下
- 上げる方法: ターゲティングの改善、コンテンツの最適化、A/Bテスト実施
7.アフィリエイト (Affiliate)
- 意味: アフィリエイトマーケティングからの流入
- 見るべきポイント: アフィリエイトパートナーの効果、コンバージョン率
- 増える原因: 新規パートナーの獲得、成果報酬の最適化、広告素材の改善
- 減る原因: パートナーの離脱、競合他社との競争、広告素材の非最適化
- 上げる方法: パートナー関係の強化、成果報酬の見直し、広告素材の更新
8.有料検索 (Paid Search)
- 意味: 検索エンジン広告(SEM)からの流入
- 見るべきポイント: 広告効果、広告費対効果(ROAS)
- 増える原因: 広告予算の増加、キーワード最適化、入札戦略の改善
- 減る原因: 広告予算の減少、競合他社との競争、アルゴリズム変更
- 上げる方法: キーワードリサーチの見直し、広告クリエイティブの最適化、入札戦略の改善
9.その他広告 (Other Advertising)
- 意味: ディスプレイ広告や検索広告以外の広告からの流入
- 見るべきポイント: 広告効果、広告費対効果(ROAS)
- 増える原因: 広告予算の増加、広告チャネルの多様化、ターゲティングの改善
- 減る原因: 広告予算の減少、広告チャネルの非最適化、競合他社との競争
- 上げる方法: 広告チャネルの評価・最適化、ターゲティングの見直し、予算の再分配
10.その他(Other)
- 意味: 上記以外のチャネルからの流入
- 見るべきポイント: 未知の流入元、トラフィックの質
- 増える原因: 新しいマーケティング施策、バイラル効果
- 減る原因: 一過性のイベント、流入元の特定不明
- 上げる方法: 新しいマーケティング施策の導入、効果的なコンテンツ作成
まとめ|トラフィック(流入元)分析でメディア戦略の最適化をしましょう
本記事では、Googleアナリティクスを活用した流入元分析の重要性や方法について詳しく解説しました。
流入元分析は、Webサイトへのトラフィックを向上させ、アクセス数を上げるためには不可欠です。
具体的には、どのチャネルやキャンペーンが効果的であるかを把握し、
それぞれのチャネルに対して最適化を図ることが重要です。
さらに広告キャンペーンの効果を上げるためには、
適切なターゲティング、コンテンツの最適化、A/Bテストの実施が重要です。
これらの対策を行うことで、広告費対効果(ROAS)を向上させることができます。
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